Hatsushika​

大学は商学部を卒業後、日系大手製薬会社にMRとして入社し、約7年間勤務。開業医師の担当、急性期病院の担当を約3年半ずつ経験した後、2021年6月、コンテンツプロデューサーとしてエムスリーに入社。

―初鹿さんは、MR職を経て、コンテンツプロデューサーとしてエムスリーに入社されたそうですが、転職を決めた理由を教えてください。

大手製薬会社でMRを7年間経験しました。多様な製品ラインナップを持つ会社だったため、疾患領域も幅広く担当していました。コロナ禍で従来のようなMR活動ができなくなり、自身の今後を深く考えるようになったことが転職のきっかけです。仕事では10年20年先も通用するスキルを身につけたい、また家族にとって良い働き方をと思い、前職のなかでは実現が難しそうだと感じて転職を決めました。

それでも医療分野には関わっていきたい思いがあり、医療系のメディアや人材エージェント、医療ベンチャーなどを検討しました。エムスリーに決めたのは、前職からその勢いを感じており、サービス展開の様子や、現場の医師にどう評価されているか肌感覚があったからです。そうした勢いのあるところで自分を磨きたい、また、MRとして“点”でプロモーションしていくのと比べて、“マス”でアプローチできるというのも前職にはない魅力でした。

―現在の仕事内容を教えてください。

コンテンツプロデューサー(CP)の仕事は、クライアントである製薬企業のマーケティング担当者と、eプロモーションで何を実現していきたいかを相談しながら、m3.com上のMR君等のサービスで配信するコンテンツのプロデュースを行うことです。将来の仕事を作る提案フェーズと、受注したものを具現化していくデリバリーフェーズの両方に深く関わって進めていきます。
そのなかで私は、オンコロジー領域や定期接種ワクチンなど、多岐に渡る疾患領域の製品を担当しています。5社、10製品以上を担当しており、色々なプロジェクトが走っていて、通年にわたって配信をプロデュースする案件もあれば、イベントのタイミングでこの情報を広く届けたいといったスポットのご要望に応える案件もあり、配信頻度やタイミングも千差万別です。常時、月15~20案件を同時進行させ、漏れなく管理しながら仕事を進めています。

―そうしたマルチタスクは、MR時代と比べてどうですか。

複雑なプロジェクトを同時進行させていくことは過去に経験がなく、自身にとってはチャレンジでした。進め方を自分なりに工夫して、自分が決めなければ動かないところは意思決定し、アシスタントの方々に任せられる部分はしっかり渡すというように、チームで役割分担を明確にしたのがひとつ。また、タスクを全て見える化して、ひとつひとつ確実に遂行していくようにしました。自分のタスクだけを手元でチェックしていると抜け漏れが起きやすいので、共有して複数の目で確認しています。色々試した結果、やはり着実に進めるのが一番だと思い、今のスタイルに落ち着いています。

―仕事の進め方は、決まったものがあるわけではないのですか。

組織共通の管理ツール等は特になく、各人がやりやすいように判断が尊重され、自由度は高いですね。決裁承認プロセスなどのルールや、成果物のクオリティを担保するためのスキームはありますが、その中身の部分や進め方は本当に自由で、より良い方法・考え方があればどんどん取り入れていく風土です。入社してから「こうしなきゃダメ」と言われたことは、ほぼありません。裁量が大きいことは責任を伴う一方で、大きなやりがいを感じます。

それでも更なる効率化を目指した標準化を進める動きはあって、クライアントワーク以外に組織横断で行う横ぐし活動のなかに、業務改善のプロジェクトがあって少しずつ見直しも進められています。自由な風土と、うまく融合させられればよいですね。

―入社して約2年ですが、自身を振り返ってどういう点に成長を感じますか。

MR時代には、目の前の医師に対して「今、こういうお気持ちだろう」「こうした課題があるのだろう」などと主に感情面から顧客へアプローチしていましたが、論理的な思考ができるようになったと実感します。エムスリーでは、行動するときに必ず「なぜ、そうするのか」を明確に説明するよう求められます。それにより、自分がなぜそう行動したいのかを整理して人に伝える癖がつきました。

―一方、MRでの経験で今、役立っていることはありますか。

まず、仮説ベースで自分なりの考えをまとめることです。クライアントは試行錯誤し、激しい環境変化をふまえて戦略を練っているもの。それに対して自分でも、担当薬剤の基本情報やエビデンス、競合品について調べていくと、ハードルとなり得る課題点に気づけることがあります。あくまで仮説なので、結果的に違っていたり、メンバーから他の観点をアドバイスしてもらうことも多々ありますが、まず自分なりの考えを持てることが重要だと感じています。

もうひとつは、プロモーションルールの理解です。医療用医薬品の情報提供には非常に多くの制限があり、しかも厳格化の傾向にあります。MRの7年間でも、その中でどんな伝え方ができるかを考え抜いてきました。eプロモーションでも同じく、「この表現は厳しいだろう」「ここまではいえるだろう」といった細かいニュアンスに対する判断が重要です。そうした勘どころが身についているのも、MR経験のおかげです。薬剤の知識などは勉強すればどんどん身につきますが、プロモーションルールへの判断は事例を経験していくことで身につくものだと思います。それがあらかじめ感覚的に理解できているのは大きいですね。このように、CPの仕事ではMR経験がかなり活きていると言えます。

―相対するのが医師から製薬会社に変わったことで、違いや面白さは感じますか。

医師と接するときは、そのすぐ先に患者さんがいるので、自身の関わった薬剤が患者さんに届くまでのリードタイムが短く、実際に処方が変わったことが分かる面白さや、治療のお役に立てた実感がありました。
一方で、製薬会社のマーケティング担当者との仕事では、MRの活動にインパクトを与えたり、m3.comで配信されれば数万人の医師会員に情報が届くなど、全国に波及するのを実感できます。その影響力はやはり魅力ですね。

―改めて、CPの醍醐味ややりがいを教えてください。

クライアントの要望を受けて、自分の考えや経験を基に提案を広く行っていけるのは醍醐味です。情報提供における厳格なルール下でも、より効果的にメッセージを届けるためになにができるかを考える面白味があります。

また、自分の関わったコンテンツが形として残るのも大きいです。さらにm3.comを通じた反響や評価を、後の調査で効果測定できるので、モチベーションにつながります。たとえば、古くからある薬剤の案件では、MRさんのリソースが割けなくなっていたため、eプロモーションに期待をいただきました。クライアントと議論を重ねた結果、ひとつのメッセージに絞って1年間かけて発信し続けたところ、最終的に「この薬剤の特徴は」という質問で測る薬剤認知の浸透度を数十%向上させることができました。施策を練り上げて遂行していくことの重要性を改めて感じ、自身の成長にもつながった印象的な案件です。

―今後の目標を教えてください。

まず、自分自身の手で、クライアントにとって本当に必要なコンテンツのプロデュースを完結できるようになることです。
また、コンテンツクリエーショングループ(CCG)全体に良い影響を与える存在になっていくことが目標です。たとえば、本年度から新たに入社されたCPのメンターを始めたので、育成にも注力していきたいと思います。
さらに、組織横断的な取り組みである横ぐし活動で、既存サービス改善、グループ会社との協業推進の2プロジェクトに入っているので、そこでも具体的な成果を創出していきたいです。クライアントワークとは別の筋肉を使う業務なので、それも自分の成長につながると期待しています。
 

―最後に、この記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

エムスリーには多様なバックグラウンドの人がいて、色々な強みを持つ人の集団です。アイデアが豊富だったり、医療現場をよく知っていたり、コンテンツのプロデュース工程に詳しかったり、それぞれの強みを持ちながら、クライアントのためにクオリティとスピードを意識して皆が仕事しています。各人が強みを惜しみなく発揮し、相談されれば親身になって協力してくれる人が多いと日々感じています。そんな風に、自身の強みで組織に貢献したいという想いのある方々をお待ちしています。