Miyake

大学で文系学部を専攻。卒業後、日系大手製薬会社にMRとして入社し、約4年間勤務。中小病院でのプライマリ領域と、大学病院でのオンコロジー領域を約2年間ずつ経験。2021年11月、コンテンツプロデューサーとしてエムスリーに入社。

―三宅さんは、MR職を経て、コンテンツプロデューサーとしてエムスリーに入社されたそうですが、転職を決めた理由を教えてください。

前職では約4年間MRとして勤務しました。最初の2年間は100床未満の中小病院で骨粗しょう症や関節リウマチなどのプライマリ領域を担当し、あとの2年間では大学病院で抗がん剤などのオンコロジー領域と一部希少疾患領域も担当しました。
やがてコロナ禍の影響で病院への出入りの問題からMRとしての活動が難しくなった一方で、診療自体にはそう影響があるように思えなかったこともあり、MRの存在意義を考えるようになりました。では、このMR不在の間、医師はどうやって薬剤の情報を得ているのか?と調べる中で、m3.comの存在に行きつきました。
そこで、MRとしては一通り経験ができたこともあり、営業活動だけでなくもっと広義でのマーケティングに携わりたい、クリエイティブにも興味を惹かれ、その両方ができるエムスリーのコンテンツクリエイショングループ(CCG)を志望しました。

―もともとMRになったのは、なぜだったのですか。

大学は文系でしたが、高校時代には理系を専攻していたこともあり、医療などに漠然と憧れがありました。また、個別指導塾のアルバイトで小学生から大学受験生まで幅広に担当したのですが、相手のレベル感に合わせ、難しいことを噛み砕いて説明するのが面白かったのです。MRも、多忙な医師に対して、医薬品の情報を咀嚼して伝える仕事なので、同じようにやりがいを感じて志望しました。
いま思えば、コンテンツプロデューサー(CP)の仕事にも通ずるところがありますね。

―そのCPの仕事は、イメージどおりのものでしたか。

MRとして伝えていたような、薬の有効性や安全性といったシンプルな情報提供以上に、多様なクリエイティブ表現を用いて仕事ができるので、期待以上です。たとえば、医師と患者の対話を再現したり、クイズ形式で視聴医師に回答いただくなど、さまざまなシチュエーションや表現を用いてコンテンツをプロデュースしています。また、それが処方に及ぼす影響も非常に大きいものだと、マスの力を改めて感じました。

―現在の仕事内容を教えてください。

製薬会社5~6社を担当、1社あたり3製品くらいなので、計14~15製品ほどのコンテンツプロデュースを担っています。業務の6割は個別の製品プロモーションのためのコンテンツプロデュース案件。2割は、薬が市場に出る前の学術的情報提供活動であるメディカルアフェアーズ(MA)案件で、抗がん剤などの前職知見が役立つ領域です。
あとの2割が特設サイトプロデュースです。ひとつひとつの動画や記事の作成ではなく、それらを集約したサイトプロデュースという、より規模の大きなプロジェクトを入社当初から2件、今も1件担当しています。サイト全体の構成や動線設計についてはクリエイティブに加えマーケティング要素もありますし、後々運用していくなかでデータ分析ができるよう、サイト内でのデータ取得についても配慮して全体を構築しています。
こうした案件は、あらかじめ社内で希望を伝えているとアサインされやすいです。また、自らクライアントに提案して、プロジェクトを作るような動きも可能です。エムスリーは手を挙げれば、いろいろチャンスが得られやすい風土と考えます。

―クリエイティブについては、どのようにしてスキルを磨いていますか。

日常で目にするテレビCMや電車の中吊り広告、デジタルサイネージ、ビル看板広告などに注目したり、キャッチフレーズ、コピーライティングもチェックしています。また、それぞれの企画意図やキャスティングの狙いなども想像して、アイデアをストック。そうしておくと、仕事で企画を考えるときも、蓄積したなかからこの要素を掛け合わせてみようなどと考えられます。
また、CCGには面白いと思ったコンテンツを共有する文化があり、どういうところを面白いと思ったか、そのコンテンツをm3.comのクリエイティブに活かすとしたら何ができそうかなどを共有しています。こうしたナレッジシェアの環境があるのも、クリエイティブの意識を高められる要因でしょう。

―MRからCPに転身して、助けになった社内の仕組みや制度、カルチャーがあれば教えてください。

CPは医療系以外のバックグラウンドの、異業界・異業種出身者も半分くらい在籍しています。出版系やマーケティング系など、それぞれの強みを活かしながら、必要に応じて助け合えるような環境です。
また、CCGでは「横ぐし活動」というのが常に展開されていて、サービスや組織全体をより向上させられるよう、部署を横断して施策を推進しています。入社1年目から何かしらのプロジェクトにアサインされ、ライターなど他のチームメンバーと活動することで関係が構築でき、回りまわって仕事のしやすさにつながったりもします。
そのほか、医療系以外の出身の方もキャッチアップできるよう、グループ会社の専門家を講師に招き、学術的な講演で知識の底上げを図る勉強会も月2回くらいの頻度であります。ですから、異業界からも躊躇せず飛び込んで欲しいですね。

―MRでの経験で今、役立っていることはありますか。

プライマリからオンコロジーまで幅広い領域を担当したので、さまざまな製品の基礎知識があります。また、さまざまな診療科の医師とコミュニケーションしてきた経験があるので、どんな疾患領域のプロモーションであってもある程度イメージが湧きやすいです。その薬剤に関して、どういうアピールポイントが受け止められやすいかなどの仮説設定にも、MR経験が役立っていますね。

―今後の目標を教えてください。

まだ自分は、いろいろと吸収している段階だと思っています。諸先輩方が過去に提案されたコンテンツや実際にプロデュースされたコンテンツのアーカイブを見ていると、まだまだクリエイティブな発想が不足していると痛感します。企画力ももっと磨きたいですし、やることは山積みです。

―最後に、この記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

医療自体は社会貢献性が高いテーマですし、デジタルについてもまだまだ伸びしろがある部分なので、エムスリーにいることで、その最前線を間近に感じられます。
そのなかでCPは、クライアントや医師のほか、社内のライターやディレクター等さまざまなメンバーと日々コミュニケーションをとりますので、協力を仰いだりポイントを伝えたりという、広義でのコミュニケーション力が必要です。さらに仮説思考で、こういうことが課題と思われるので意見をもらいたいなど、要点を整理して推進できるような能力があるとよいでしょう。そのうえでクリエイティブにも興味のある人は大歓迎です。一緒に治療を変えることにチャレンジしていきましょう。