Ohara
大学で獣医師免許を取得後、大学院博士課程で生命科学系の研究を行い、新卒で北海道にある酪農・畜産系のIT会社に入社。約2年間、開発や営業に従事。2021年5月、メディカルライターとしてエムスリーに入社。―小原さんは、酪農・畜産系IT会社を経て、メディカルライター職でエムスリーに入社されたそうですが、転職を決めた理由を教えてください。
もともと大学院で、骨格筋内の脂肪細胞という畜産領域に関わる研究を行っていたため、新卒では酪農・畜産領域で仕事をしたいと思い、酪農・畜産系のIT会社に入社しました。半年ほどプログラミング経験を経て、あとは営業として酪農・畜産業者のお客様に製品を案内、販売してきました。しかし、もともと研究をやってきたこともあり、人と交渉するような業務に苦手意識があったのと、もっと視野を広げたい気持ちが強くなり、転職することに決めたのです。転職にあたって、学生時代に集中して英語の文献を調べ、論文執筆などを行った時間が自分にとって充実したものだったため、そうした経験を活かせるような仕事を求め、人材エージェントに相談しました。そうして、最初はエムスリーのコンテンツプロデューサーを勧められたのですが、クライアントワークに苦手意識があるため、メディカルライターで入社を決めました。他社のメディカルライターだと特定のメーカーと特定の疾患・薬剤に関して長く従事していく印象でしたが、エムスリーでは疾患・薬剤ともに幅広く扱えるので、視野も広がり、都度新鮮な気持ちで取り組めるのではないかと期待しました。
―入社の前後でイメージのギャップなどはありませんでしたか。
コロナ禍での入社であり、リモートワークが中心であるため、他の社員の方たちとなかなか接点が持てないのではと不安もありました。しかし、チームリーダーやメンターが、当初は毎日のように1on1を持ってくれ、無理なく関係性を築くことができました。また、メンバーも皆、質問すると応えてくれ、一緒に悩んだり考えたりしてくれます。メールのやり取りなどは一見クールですが、根底には優しさや思いやりを感じますね。
―現在の仕事内容を教えてください。
アソシエイトライターとして、コンテンツの構成を考え、原稿執筆を担っています。また、私が入社した頃から、ライターもコンテンツプロデューサーと一緒にお客様への提案活動に参加するようになりました。そこで最初は同席させてもらい、学術的なリサーチや医師へのモニター調査などのサポートから始めました。最近は徐々にライターの貢献度合いも高まり、コンテンツプロデューサーとの連携が増えています。その際も、お客様とのコミュニケーションはコンテンツプロデューサーが担いますが、提案時などにライターが発言することはあります。原稿を担当している疾患、薬剤は複数ありますが、たとえば、特発性肺線維症などの間質性肺疾患の治療薬である抗線維化薬などを扱っています。抗線維化薬については、その薬剤の作用機序が私自身、学生時代に研究していたものと一部共通するところがあるため、扱いやすく、伝え方を考えるのが楽しいですね。これ以外にも、医師に疾患や治療の課題を提示し、薬剤やその臨床試験を紹介するというストーリーをメインに、さまざまな原稿を執筆しています。
―生命科学系の研究のバックグラウンドが役立っているわけですね。また、獣医師資格も保有されているとのことですが、人と動物の医療で違いを感じることはありますか。
生命科学の基礎である生理学や病理学、薬理学は、人と動物で共通する部分が少なからずあり、医療系の仕事にも馴染みやすかったと思います。ライティングにおいても、かつて英語の文献を読み、自分で論理を組み立て、論文執筆した経験が非常に役立ちました。
人と動物の医療の違いでいえば、やはり人のほうが疾患の数が多く、治療の選択肢も多いので、より複雑で、気をつけるべき点が多いように思います。人の場合は、なぜその治療が選択肢となるのか、その治療を受けることによるメリットやデメリットなど、患者さんへの説明、説得が動物の場合よりも重要になります。
そうした部分は実務を通して理解に努め、薬剤・疾患のガイドラインを読み込んだり、医師への取材で知識を得るようにしています。
人と動物の医療の違いでいえば、やはり人のほうが疾患の数が多く、治療の選択肢も多いので、より複雑で、気をつけるべき点が多いように思います。人の場合は、なぜその治療が選択肢となるのか、その治療を受けることによるメリットやデメリットなど、患者さんへの説明、説得が動物の場合よりも重要になります。
そうした部分は実務を通して理解に努め、薬剤・疾患のガイドラインを読み込んだり、医師への取材で知識を得るようにしています。
―エムスリーで自身が成長したと感じる部分や、その背景を教えてください。
スキル的な成長はもちろんありますが、大きいのは、自分で考え、主体的に動けるようになったことです。原動力は、一緒に仕事している人たちです。たとえば、コンテンツプロデューサーは多忙ながら、私の意見もよく聞いてくれ、共に進め方を考えるなど、一緒に形にしていくのを実感しています。ですので、そうしたサポートに報いたい気持ちが強まり、自分がやることが相手にどう影響を与えるのかを意識するようになりました。また、ライター間では、週次の定例ミーティングで業務の進捗や相談、事例共有などを行っています。そこでは、プロモーションコードの解釈やクライアントからのフィードバックへの対応など、具体的な事象に関する相談などが多く、スキル向上に役立てています。
―今後の目標を教えてください。
スキル面でもまだ弱い部分があるので、引き続き強化せねばと思っています。また、クライアントへの提案において、もっと前のめりに、コンテンツプロデューサーをリードできるくらいになりたいですね。そうして自分の器を広げたいです。もともとクライアントワークなど、交渉ごとが苦手でしたが、エムスリーではライターがクライアントに接するときは基本的にコンテンツプロデューサーが同席していますので、不安なく業務を行えています。また、業務一般について、何かあればチームリーダーに相談ができますので、その存在が心強いですね。