Ishizuka

大手新聞社での記者経験やキャッシュレス決済サービス会社の社内広報経験を経て、2021年5月、エムスリーに入社。医療業界未経験ながら、コンテンツプロデューサーとして活躍中。

―石塚さんは、大手新聞社記者や事業会社の社内広報担当を経て、コンテンツプロデューサー職でエムスリーに入社されたそうですが、転職を決めた理由を教えてください。

新卒で大手新聞社に入社して5年半、まず地方で選挙やスポーツなどの取材にあたり、本社では経済部で記者を務めました。その後、キャッシュレス決済サービス会社で社内広報を担当し、社内報の立ち上げや社内ポータルサイト、コーポレートブログの企画とそこでの記事執筆に従事しました。一貫してライティングを行ってきたわけですが、今後のキャリアを考え、より幅広いコンテンツを作成してメッセージを伝えていきたいと思い、チャレンジできる場を求めました。

―コンテンツ制作といえば選択肢はいろいろありますが、エムスリーに決めたのはなぜでしょうか。

医療に特段の興味があるわけではなかったのですが、クライアントのメッセージ戦略に基づいてデータやファクトに基づいたコンテンツを提案、制作していくというのを説明会で聞き、魅力を感じました。それまでは思いや課題感を起点として文章を書くことが多かったのですが、それとは違い、ゴールから逆算してメッセージを作るという、自分にとってのチャレンジができると思ったのです。

また、会社自体が急成長しており、個人も成長できる環境だと期待しました。説明会や面接官の話でも、裁量をもって仕事ができ、提案書のフィードバックから3日後には修正案を提出するといったスピード感で、普通の会社の3年分を1年で経験できるということでした。そのほか、コスト管理や社内外の調整も全て担うので、コンテンツ作成以外の、いわゆるビジネス戦闘力も向上させられます。自分には経験が足りていない部分でしたので、自身のキャリア価値向上につながると思いました。

―医療のバックグラウンドがないことで、苦労などはありましたか。

製薬企業がやりたいことに対し、医師は何を求めているか想像ができないこともあり、難しい面もありました。最初は、お客様である製薬会社の側ばかりに寄り添おうとして、医師側の視点を見落としがちであるとメンターから指摘を受けることが何度かありました。今も一人ではわからない点も多いので、社内のメディカルライターなど医療の現場に携わってきた仲間に意見を聞きながら、製薬企業/医師両方の視点に立ってコンテンツを考えていくよう留意しています。

一方、提案からコンテンツの完成までの一連の流れを覚えるという意味では、おおむね入社から半年くらいで慣れることができました。

―医療に関しては、どのようにしてキャッチアップしてきたのですか。

最初は、ある薬剤について調べるときに、どのサイトを見ればよいかも分からない状態でしたが、同じように医療業界未経験だった先輩に、どう学べばよいかを聞いて実践してきました。たとえば、日々の業務でわからないところがあれば各薬剤・疾患に関するガイドラインを見たり、製薬企業のホームページを訪れてコンテンツを見たりしてきました。また、医師が執筆しているブログなども、噛み砕いた表現で解説してありとてもわかりやすいので参考にしています。
実際、医療業界以外のバックグラウンドの社員は3割ほどにもなるので、未経験でも臆することはありません。

―具体的に、教育や育成に役立つ仕組みがあれば教えてください。

毎週の定例ミーティングで、過去に制作したコンテンツや提案事例が紹介され、ナレッジ共有されています。製薬会社の戦略に対して、どのような議論を経て、どんな提案に至ったのかが分かるので、実践的知見が得られます。

また、医療の知識については毎週2回、学術ディスカッションとして、最新の医療トピックスや特定の疾患分野について持ち回りで発表。質疑応答も行って、皆で知識を身につけています。ちなみに私は、入社して3週間で発表機会が回ってきました。あるがん治療薬に関連する、海外で進行中の臨床試験について発表したのですが、こうした機会が入社1週間でも1年でも関係なく平等に回ってくるのは、エムスリーならではの文化ですね。

―前職までのライティング経験が活かせている点はありますか。

業務の一つにメディカルライターが書いた原稿を確認するというものがありますが、わかりやすい構成、ストーリーを考えるうえで、読者、視聴者の視点で考えて文章を執筆してきた経験が生きていると思います。

また、お客様である製薬企業が、やりたい、もしくは課題だと考えているものに対して、「本当にそれでよいのか」という視点を持てるのも、前職までの経験が大きいと考えています。記者時代は単に事象を伝えるだけでなく、その背景や真の課題は何か考えるようにしてきました。いまも、製薬企業が考えるマーケティング戦略に対して、適切なアプローチができているか1歩引いて見るように心がけています。

―改めて、現在の仕事のやりがいを教えてください。

裁量が大きく、自分で決められたり、決めなければならない場面が毎日たくさんあるので、そこはやりがいですね。自分が判断した内容で制作が進んでいき、完成物として形の残るコンテンツができていくのも非常にやりがいです。動画の演出でも提案内容でも見積もりでも、もちろん上長に相談しながらですが、会社の代表としてお客様と相談し、社内外の調整をしていくことが求められます。

また、m3.comは日本の医師の約9割にあたる31万人以上が会員登録しており、コンテンツの視聴による評価や反応、アンケートによる志向などのデータを提案内容やコンテンツに活かせます。そのような豊富なデータに基づいてコンテンツを作成できるのはエムスリーならではであり、どういうコンテンツを提案・制作していくかは、コンテンツプロデューサーの腕の見せ所といえるでしょう。

―入社して、自身が成長したと思うのはどういう点ですか。

2つあり、まずゴールから逆算して考える習慣が身につきました。各プロジェクトごとに、伝えたいメッセージをゴールとして、予算やスケジュールを考慮しながら最適なプロセスを考え落とし込んでいっています。汎用的なビジネススキルですが、エムスリーはそうした機会が非常に多く、とても良い経験ができていると思います。

もう1つは、スピード感です。どの業務でもスピードを求められる機会が多く、同僚たちに相談してもいつもすごいスピードで返信が返ってきます。目の前の課題に対して、最適な解決策をとにかく最短で導きだせるよう心がけています。

―将来共に働く仲間へのメッセージをお願いします。

エムスリーでは多様なチャレンジの機会があり、自分がやりたければ何でもできる環境なので、成長意欲のある人にはフィットすると思います。また、薬剤の市場環境、製薬企業の戦略など頻繁に変化がありますので、それを前向きに捉え、楽しめる人が向いているでしょう。

コンテンツプロデューサーは、クライアントマネジメントからコンテンツ制作まで幅広い業務を担い、数多くの案件を扱っていきます。そのなかでも1つ1つの業務のアウトプットにこだわりを持ち、形にしていける方と切磋琢磨していきたいですね。