Matsuba
新卒でアビームコンサルティング株式会社に入社。約3年間にわたりRPA等を活用したBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)プロジェクトに従事。2022年7月にエムスリーに入社。現在に至る。―コンサルタントからキャリアチェンジして、エムスリーに入社した経緯や理由を教えてください。

転職を考えたきっかけは大きく2つです。1つは、事業を通じてより多くの人に影響を与えられる仕事がしたいと考えるようになったことです。コンサルタントとして目の前のクライアントや担当者の方に貢献できて幸せを感じていましたが、事業を通じてレバレッジをかける形で、より多くの人に影響を与えたいと考えるようになりました。
もう1つは、コンサルタントとしてのキャリアに危機感を抱き始めたことです。新卒の志望度ランキング上位にコンサルティングファームが並び、各社が積極的に採用を進めています。コンサルタントの数が増えるなか、どうすれば自分の価値を高められるか考えるようになりました。そこで、事業会社でのキャリアと掛け合わせて市場価値を高める戦略を立てました。
エムスリーを選んだ最大の決め手は、新しい事業を生み出すチャンスが多い点です。新規事業立ち上げに力を入れている他の会社とも比較しましたが、事業立ち上げの基盤となる会員やサービス、データといった他社と差別化できるアセットを多数保有しているエムスリーの強みに惹かれ、入社を決めました。
ヘルスケア事業に関われる点も、大きな魅力でした。少子高齢化に伴い、さまざまな業界の市場が縮小するなかで、ヘルスケア領域は幅広い年齢層から必要とされていて、市場が拡大する可能性があります。長期的なキャリアを考えると、ヘルスケア領域で経験を積むことがプラスになると考えたのです。
さらに、論理的で自律的な人材が多くメンバーと切磋琢磨できる環境だと感じたこと、コンサルティングファーム出身者も多く、前職との大きなカルチャーギャップもなさそうだと感じたことも大きいですね。
―現在の仕事内容についてお聞かせください。
現在は、日系・外資系の大手製薬会社からスタートアップまで、4社ほどのクライアントを担当、デジタルを活用したマーケティング支援を行っています。担当している薬剤も、希少疾患からプライマリケア、オンコロジーまで幅広い領域にわたります。対象疾患の課題や各薬剤の特徴を踏まえ、「何を」「誰に」「どのように」伝えていくべきかを、社内外のデータ分析やクライアントとのディスカッションを通じて検討し、ソリューションを提案しています。その過程で、新規開拓や新規プロジェクトの立ち上げにも携わることができました。新規開拓では、製薬会社の社長へのアポイントメントを取ることから始め、希少疾患の患者さんを見つけるプロジェクトを推進しています。既存顧客へのソリューション提供にとどまらない、貴重な経験ができていますね。
もう1つは、電子カルテや患者向けサービスなど、エムスリーの複数のサービスを組み合わせた複合的なプロジェクトの立ち上げです。通常は医師向け、患者向けにそれぞれのサービスを提案していますが、それらを 組み合わせることで、より価値の高いソリューションを提供できています。転職時の希望であった事業の立ち上げにも近い経験を積め、大きなやりがいを感じています。
―コンサルタント時代と比べ、特に成長したと感じている点があれば教えてください。

一方、エムスリーに入社してからは一歩踏み込んで、クライアントが予算を捻出して事業推進するための意思決定を支援することが重要になりました。実際に事業を動かすという観点で必要なデータの収集やロジックの構築を行い、納得いただけるストーリーで提示する必要があります。コンサルタント時代に培ったスキルなどを活かしつつ、新しい経験ができていますね。
クライアントの意思決定の支援を通じて、ニーズを的確に把握する力はコンサルタント時代よりも成長したと感じますし、組織がどのようにして予算を確保し、プロジェクトに投資する決断を下すのか、そのプロセスを深く理解することができました。これにより、今あるアセットを最大限に活用し、何をどのように組み合わせて価値を生み出すか、またそれをどのように効果的に伝えていくかを考え抜く力も向上し、結果として事業を推進する力も強化されたと感じます。今後、事業を立ち上げる際にも、非常に役立つスキルだと考えています。
また、複数の業務を同時並行で進める必要があり、タスクマネジメントの能力も向上しました。コンサル時代は基本的には1つのプロジェクトにアサインされるのですが、現在は新規のプロジェクトの提案業務を並行して進めながら、既存の複数のプロジェクト運営を同時にこなす必要があります。最初は苦労しましたが、マルチタスクをどう効果的・効率的に進めるかなど成長につながったと感じています。
―エムスリーに転職して、特にやりがいを感じている点はありますか?
大きく2つあります。1つは、社会貢献性の高さです。医師に正しく情報を伝えることで、疾患に苦しんでいる患者さんが救われるといった事例を経験できました。コンサルタント時代よりも、自分の仕事が人の役に立っているという実感を持てるようになりましたね。もう1つは、裁量の大きさです。エムスリーではプロジェクトの立ち上げ時に、「どんな価値を提供するか」という根本の部分から自分たちで決めることができます。これまでなかったサービスを1からつくり、どのように価値をクライアントに感じてもらえるかというロジックを構築、社内を説得してプロジェクトを推進するのは、コンサル時代にはできなかった、エムスリーならではの経験です。
―実際に働いてみて感じたエムスリーの魅力を教えてください。

しかし、実際はチームで協業しながら目標達成を目指すという意識が強く、人との関わりを大切にしている会社だと感じています。お互いのフォローをしつつ、フラットにアイディアを出しあえるので、すごく仕事がしやすいですし、メンバーからの学びも多いです。
―最後に、エムスリーに興味を持たれている方、特にコンサルタント経験者に向け、メッセージをお願いします。

私は新卒でコンサルティングファームに入社したこともあり、クライアントの業務や課題について理解しきれない部分がありました。しかしエムスリーでの仕事を通して、事業のプロセスに関する解像度が上がり、課題となりそうな部分を察知できるようになりました。
会社の経営の柱である事業への理解や課題への感度は、顧客支援や新規事業の立ち上げなどさまざまな場面で役立つ、ビジネスパーソンにとって非常に重要なスキルです。市場価値を高め、キャリアの幅を広げたい方のチャレンジをお待ちしています。