Takayama

新卒で金融・医療機関向けSI企業に入社。早稲田大学大学院ファイナンス研究科でMBA取得後、デロイトトーマツコンサルティングに転職。約8年間在籍し、新規事業戦略やM&A戦略の立案、中期事業計画策定といったプロジェクトを中心に従事。2016年エムスリー株式会社に入社。

―高山さんはデロイトトーマツから、2016年にエムスリーに転職されています。入社の経緯をお聞かせください。

前職でシニアマネージャーとなり、パートナーを目指すかどうかを考えたときに、これまで培ったビジネススキルを事業サイドで活かしたいと思うようになりました。そこで父の会社を手伝おうと考え退職を検討していたのですが、そのタイミングで、父ががんであることが分かり、会社はやむなく閉じることとしました。そうして父を見舞って病院に通ううちに、自然と医療・ヘルスケア業界に興味が向いたのです。
エムスリーは人材エージェントの紹介で知ったのですが、ビジネスモデルのユニークさに加え、面接を経て、コンサルティングと営業の総合力が求められると分かり、自身の次の成長を考えたときにベストな環境に思えました。コンサルティングファームではある程度のポジションに昇進して初めて、コンサルティングと営業の両方を担うようになりますが、エムスリーでも両方を行うことができ、しかも自社のサービスでビジネスをドライブできます。医療・ヘルスケアということで社会貢献度も高く、トータルでバランスが良いと感じて入社を決めました。

―エムスリーでの仕事は、どのようにして覚えていきましたか。

当時の組織のビジネスプリンシプルに「我々のソリューションは『シンプル』で『マチュア』で『エッジ』の効いたものである事を旨とする」というような哲学がいくつもあり、これを自分の中で腹落ちさせようと意識していました。たとえば、クライアントとのミーティングでは、クライアントの発言と同等以上に社内メンバーの発言をメモし、社内では毎日、先輩社員を質問攻めにして、なぜエムスリーのサービスがそのようになっているのか徹底的に理解を深める、という具合です。
現在はSPBUで、20名近い社員のメンバーがいるグループリーダーとして、年間数十億円規模のビジネスをマネジメントしています。また、アカウントを担当するグループリーダーに加え、MR君とデータ・アナリティクスサービスのサービスオーナーも務めています。

―エムスリーにおけるデータ・アナリティクスサービスのビジネスとは、どういうものですか。

AIなどの技術革新や製薬企業のDXトレンドもあって、急成長している分野です。たとえば、エムスリーのビッグデータとAIを活用したサービスを、社内のAIエンジニアと2年前に立ち上げたのですが、すでに10社以上のお客様に活用いただくくらいに標準的なサービスに成長させることができました。まさに0から1、1から10のフェーズを経て、現在は10から100にするための取り組みに注力しているところです。
プロジェクト型のサービス提供も多く、製薬企業から医師への配信コンテンツについて、どのようにすれば、少しでも長く視聴いただけそうか、膨大なコンテンツを秒単位で分析して、より訴求力の高いコンテンツを制作したコンテンツマーケティングのプロジェクトや、エムスリーのビッグデータを用いたAIによる分析結果に基づき、フィールドのMRさんの活動計画とインターネットでの配信計画の両方を立て、その実行支援および改善をクライアントと一体となって、PDCAサイクルを回していくようなインターネットに留まらないプロジェクトも提供しています。
このようにさまざまな提供形態のサービス企画から実行まで関与できるのは、エムスリーならではと感じています。

―そのようなサービス企画を行ううえでの、エムスリーの強みは何でしょうか。

まず、医師会員30万人という圧倒的なプラットフォームを活用できることがありますが、社内環境にも強みがあります。優秀なデータサイエンティストやAIエンジニアが社内に多数いるため、お客様とのディスカッションや要望を受けてすぐに形にできるのです。また、ディスカッションに同席してもらい、その場で考えられるアイデアや、その実現可能性を提示してもらうこともできます。エムスリーにしかない国内最大級のデータと幅広い優秀な人材を擁することからくる圧倒的な強さですね。

―サービス企画において心がけていることはありますか。

サービス企画の観点では、ビッグデータやAIを活用したサービスというのはブラックボックスになりがちです。ですから、自分がクライアントだったとして、絶対にこれを活用したいと思えるレベルまで確信を持てないと、お客様には意思決定いただけません。そのため、企画検討にあたっては社内で徹底的に議論をし尽くします。これが本当に大変なのですが、その分やりがいがありますね。

―エムスリーは、成長機会の多い会社といえそうですね。

アナリティクスを活用したプロモーションでは、その実行結果をプラットフォーム上でかなり細かいレベルで検証できますので、マーケティングで経験を積みたい方にも最適でしょう。
また、そもそもスピード感ある仕事の進め方で、社内の会議も1コマ30分が標準です。一般的には1時間かと思いますが、エムスリーでは30分間頭をフル回転して議論します。とても生産性が高く、コンサルティングファームの倍速で物事が進む感覚ですね。一定時間検討を進めると、クオリティの向上幅は逓減していくので、エムスリーではスピードとクオリティの一番バランスの良いところでお客様に提示してフィードバックをもらい、改善していきます。そうやってスピード感を持って前進させるほうが、結果的にお客様への貢献度が高いのです。
さらに、サービス企画において、サービス提供時のオペレーションの組み立てや、経営目線での価格設計まで全てを、一貫してリードできるのも大きな成長機会です。サービス企画は論理的に正しいだけではビジネスとして足りません。オペレーションまで想定して進めるべきで、場合によってはオペレーションを最適化するためにサービスの仕組みを変えたほうがよいこともあるのです。また、価格設計は、そのサービスがもたらす提供価値に基づくものであるべきであり、まさにエムスリーが社会に与えるインパクトの規模そのものになります。そこも含めて自分が手がけたものを世の中に出していけるのは、大きな成長につながります。

―コンサルティングファームと比べた、エムスリーの魅力を教えてください。

コンサルティングのプロジェクト、特に戦略案件は、仮説を構築・検証するためのリサーチやデータ収集にかなりの時間を取られるものです。データを集めることができたとしても、出所の確からしさを確認したり、各データの整合性を取るための調整をしたりと、特に若手のコンサルタントは、この手のタスクに忙殺されていることでしょう。
ですがエムスリーでは、自社内に豊富なデータがあり、なければ関連部署と連携して、すぐに取り寄せることができるので、本当に「考える」ことにフォーカスできるのです。私も入社当初は「出所:エムスリー」で何でも提案できることに感動していました。
また、エムスリーでの検討は、クライアントに実行いただけるかどうかが全てであり、その点では現場に近い若手の方がいいケースも多く、これがフラットに議論できる社風のベースにあると思います。
私も毎日何件も若手メンバーと議論する中で、気づかされることが多いと感じます。よくエムスリーは20代にとって圧倒的な成長環境であるといわれますが、30代、40代にとっても圧倒的成長環境といってよいでしょう。毎週金曜にグループメンバーで定例会を行いますが、そこで「今週はこういう学びがあった」というのを皆で振り返れるくらい、常に何かしらの学びがあります。
私は今40代前半ですが、このキャリアになっても毎週成長実感が得られるというのは、幸せな環境だと実感しています。VUCAの時代には、これまで蓄積した知見だけではやっていけません。40代でも自分を成長させられる環境に身を置いておくべきではないでしょうか。

―将来共に働く仲間へのメッセージをお願いします。

チャレンジする人と、ぜひ一緒に仕事がしたいですね。エムスリーは現場への委譲がとても進んでいる会社なので、自分の意思や意欲のある人にはもってこいの環境です。コンサルティングファームで、ジレンマを感じていたり、このままでよいのだろうかと、もっと挑戦したいのにと思っているような方には、いくらでも活躍いただけるでしょう。営業畑出身の方でも意欲があればバックアップしますので、ぜひチャレンジしてください。
そして、皆で汗をかいた結果が、医療・ヘルスケア業界に貢献できているという実感がエムスリーでは得られます。ビジネスと社会貢献を両立できる環境であることに関心や意欲を持てる方をお待ちしています。