Kaneta

東京工業大学大学院生命理工学研究科を修了後、2015年4月エムスリー株式会社に入社。
現在に至る。

―新卒でエムスリーに入社されたのですね。


大学院では計算化学の研究に注力し、分子とタンパク質の作用をコンピューターシミュレーションで解析するなど、創薬に近いことにも携わっていました。実際、周りでは研究者として製薬企業や食品会社に進む友人が多かったです。私自身は研究職よりも、コンサルティング業界に興味がありました。数ヵ月単位のプロジェクトで都度結果を出していくほうが、パフォーマンスを高いレベルで維持できそうなのと、より広範な領域に関わりたい好奇心からです。

エムスリーのことは、コンサル業界を見ていく中で初めて知りました。コンサル出身者をはじめ、多様な業界から優秀な人材が集まっている会社だと聞きましたが、実際に面接でその印象を強くしました。

―入社してから、どのように仕事を覚えていかれたのですか?

今のソリューションパートナービジネスユニット(SPBU)の前身となる組織に配属されました。そこでは、コンサルティングファーム出身の先輩がメンターとして付いてくださり、二人三脚でプロジェクトを進める経験を積みました。大学院時代でもエクセルやパワーポイントは使っていたので、多少自信はあったのですが、仕事で使うレベルはまた全然違いましたね。

求められるものが多く、メンターから指摘を山のように受けながら資料作成のノウハウを身につけていきました。メンターも自身の業務で忙しいところ、私の育成についても寄り添って適切に指示をくれました。私のできることにプラス、少しだけ難易度の高いことを任せてくれるので、日々張り合いを持って仕事に臨むことができました。私の状況を見て着実にレベルアップできるよう、少しずつ業務を託していただけたように思います。

例えば、ある薬剤の戦略策定のために医師向け調査をおこなう場合、入社当初は決まったアンケート設問に選択肢を設定するだけだったのが、最終的にはクライアントの課題を整理し、仮説検証できるような調査設計全体のドラフト作成を託される、といった具合です。それが入社年の12月くらいのことで、携わっていたプロジェクトの課題把握から検証、提案までのサイクルが一巡したこともあり、その時点で一通りのスキルが身に付いたという達成感がありました。

―1年目で手応えを感じられたわけですね。

もう一つ、成長機会として同時期に、グループ企業のオペレーション改善プロジェクトでリードを任せていただいたことがあります。立ち上げ間もなくでオペレーションが未成熟だったため、メンバーにヒアリングして課題を抽出し、改善提案および実行までを3~4ヵ月かけて実施しました。取締役がメンターになり、初めて自分がプロジェクトをリードするという貴重な機会でした。ここまで早いタイミングで大きなプロジェクトを持たせていただけるのはエムスリーならではだと思います。
また、このプロジェクトではコンサル的な業務の進め方を学べただけでなく、エラー数などのKPI改善も実現し、手応えを感じられました。定量的な成果というのは励みになるものです。

―そうした機会を得るため、ご自身から積極的に希望を出されていたのですか?

特段アピールしたわけではありませんが、私自身、チャレンジ志向が強い性質ですので、入社間もない頃から小さなことでも自分なりに改善の提案をしてみるなど、積極性はあったかもしれません。SPBUでは社内全体に、新人を育成しよう、上のレベルに引き上げようという雰囲気と取り組みがあるので、自分の様子を見て、発揮できる場を機会として与えてくれたともいえるでしょう。

―入社4年目の今は、さらにご自身の成長を実感していますか?


そうですね。1年目で行っていたのは、医師に対してインターネットを使って情報を届ける、基本スキームが中心でした。今はクライアントのマーケティング戦略に関わらせていただいており、クライアントとの定例会議の場でも議論に加わるだけでなく、リードも担当しています。

―現在の仕事内容について教えてください。

製薬企業のマーケティング支援で、大手製薬企業を担当しています。入社2年目から担当させていただいていますが、クライアントとのディスカッションに参加し、定例の場自体のリードも担当するようになってきました。内容もどんどん難しい課題に関わらせていただけるようになっています。

例えば、営業生産性向上プロジェクトのような製薬企業の根幹にかかわるようなプロジェクトを推進しています。これはクライアントの働き方改革の一端を担うことでもあり、責任も規模も大きく、今まで以上にやりがいを感じています。長年のパートナー関係が構築されているので、クライアントからの要望も非常に高いです。エムスリーのサービスが当たり前にある状況で、さらにクライアントが望む状態に向けて、プラスアルファ何ができるのか、を日々ディスカッションしています。MRにインターネットを活用した営業活動を行っていただくこともありますし、ソリューションの幅も広がり、私自身もワクワクしながらプロジェクトに取り組んでいます。

―今後の目標は?

現在のチームリーダーの二人がロールモデルです。どちらも外資系コンサル会社の出身ですが、タイプが異なるのでそれぞれに学びたい点があります。

一人は、猛烈に多忙な中でも、ミーティングの前に過去の調査報告書や質問項目、分析結果など各種データを精査し、ファクトベースで状況を構造化してからミーティングに入るので、すぐに緻密な議論ができます。アウトプットをその場でスライドイメージへ落とし込まれるのも鮮やかで、ポイントが押さえられているために後に議論が後戻りすることもなく、プロジェクトのスピード感を生んでいると思います。

もう一人は、プロジェクトマネジメントに長けています。要件定義も明確で実際的であり、どれだけ難易度の高い課題であっても期日までに十分なクオリティで仕上げられるスタッフです。それはクライアントからの信頼感にもつながるもので、ぜひ身につけたい能力です。
また、コンサル業界以外にも多様なバックグラウンドで経験を積まれてきたスタッフが多く、参考になります。金融業界の最前線での営業経験者や、IT企業で事業開発を担われてきたスタッフなどから、それぞれの切り口でのビジネスにおける最善の方法やノウハウを学べるのです。ただし、カギとなるのは、こちらから積極的に学び取っていく姿勢です。

―同じ環境であっても、受身でいては成長できないと。

自ら動けば、より成長機会が生まれる環境です。たとえば、クライアントニーズに合わせて新しいサービスを作りたいときに、周囲を巻き込んでいくと、各自が自分のタスクと認識してくれたことはどんどん進めてもらえるので、それを取りまとめていく立ち位置もとれます。また、壁にぶつかった時も周囲にアドバイスを求めることで、それぞれの知見から貴重な示唆が得られます。どんなに多忙でも、求められればアドバイスしてくれる風土なので、成長意欲のある方にはもってこいの環境です。
 

―メッセージをお願いします。

私のような新卒3~4年目だと、大きな組織の中で何となく壁を感じているような方や、一通りの仕事を覚えた上で次のステップが待ち遠しいような方は、自走が推奨されるエムスリーのような環境に身を置いてみると、求めるものが得られるかもしれません。必ずしも医療というテーマに限らずとも、やりたいことと自身の成長意欲があれば、その実現に向かいながらステップアップしていける環境です。そういう熱意のある方と切磋琢磨できるのを、私自身、楽しみにしています。